7. ところが、お義父さんのほうじゃ、私のことなどちっとも考えてくれない。 給料のことだって、何度も何度も約束を破ったしな。 これまで無事にやってこれたのは、ひとえに神様が助けてくださったおかげだと思うよ。
8. ぶちの群れを私にくれると言えば、ぶちの子ばかり生まれた。 それを見て気が変わり、しまのついているのを取れと言うと、生まれる羊は全部しまがついていた。
9. ま、お義父さんには気の毒だったが、こういうふうに、神様が私を豊かにしてくださったのだ。
10. あれは、家畜の群れが交尾する時期だったな。 夢を見たんだ。その中で交尾している雄やぎは、しま、ぶち、まだらのものばかりだった。
11. それから、神様の使いが言われたのだ。
12. しまや、ぶちのある雄やぎを白い雌といっしょにさせろ、とな。 続いてこうも言われた。 『ラバンがおまえにどんな仕打ちをしたか全部わかっている。
13. わたしはおまえとベテルで出会った神だ。 そこでおまえは柱に油を注ぎ、わたしに仕えると約束した。 さあ今この国を出て、生まれ故郷へ帰りなさい。』」
14. ラケルとレアは答えました。 「私たちのことなら心配なさらないで。 どうせここにいたって、自分のものなんかありませんもの。お父さんの財産だって分けてもらえないでしょうよ。
15. これじゃあまるで、外国人の女と変わりないわ。 言ってみれば、お父さんは私たちを売ったのよ。 あげくの果ては、売ってもうけたお金を、すっかり使い果たしてしまったというわけね。
16. 神様がお父さんから取り上げ、あなたに下さった財産は、法律的にはもともと私たちのものですもの。 どうぞ神様のご命令どおりにしてくださいな。 遠慮はいりませんわ。」
21. こうして、逃げるようにしてユーフラテス川を越え、ギルアデの地へ向かいました。
22. ラバンがそのことを知ったのは、三日後でした。
23. あわてて数名の男を連れ、あとを追いました。 七日後、ようやく追いついた時は、ギルアデの山地まで来ていました。
24. その夜のことです。 神様が夢の中でラバンに現われました。「ヤコブにものを言う時は気をつけなさい。 かってに祝福したり、のろったりしてはいけない。」
25. ヤコブが山地で野営していた時、ラバンはようやく追いつき、自分たちもテントを張りました。
26. 「こそこそ逃げ出すとは、いったいどういうことだね。 それも、わしの娘たちまでこんなふうに追い立てるようにして。 それとも何かね、娘を戦争で奪った捕虜だとでも思っているのか。」 ラバンはヤコブをなじりました。