創世記 29:1-11 リビングバイブル (JLB)

1.  ヤコブはさらに旅を続け、とうとう東の国へ着きました。 

2. そこは広々した野原です。 井戸のそばに羊の群れが三組寝そべっています。 井戸の口には重い石のふたがかぶせてあります。 

3. 群れが全部そこに集まるまで石のふたははずさないのが、この地方の習慣でした。 水をやったあとは、また元どおり石でふたをしておきます。 

4. ヤコブは羊飼いたちに近づき、どこに住んでいるか尋ねました。「カランだよ。」

5.  「では、ナホルの孫でラバンという人をご存じでは?」「ラバンだって? ああ、よく知ってるよ。」

6.  「そうですか。 で、その方はお元気ですか。」「元気だとも。 何もかもうまくいってるしね。 ああ、ちょうどよかった。 ほら、あそこに羊を連れて来る娘、あれがお嬢さんのラケルだ。」

7.  「いやー、助かりました。 ところで余計なことかもしれませんが、羊に早く水をやって、草のある所へすぐ帰してやらなくていいんですか。 こんなに早く草を食べさせるのをやめたら、腹をすかせませんかね。」

8.  「羊や羊飼いがみな集まるまで、ふたは取らない決まりでね。それまで水はおあずけというわけですよ。」

9.  話をしている間に、ラケルが父の羊を連れて来ました。 彼女は羊飼いなのです。 

10. 彼女が伯父の娘で、従姉妹にあたり、羊はその伯父のものだとわかったので、ヤコブは井戸へ行き、石のふたをはずし、羊に水を飲ませました。 

11. それから、ラケルにキスしました。あまりうれしくて気持ちが高ぶり、とうとう泣きだしたほどです。

創世記 29