ルカによる福音書 6:17-18-29 リビングバイブル (JLB)

2.  パリサイ人たちが目ざとくそれを見つけ、抗議しました。 「どう見ても違反だ! お弟子たちのやってることは何です? 明らかに刈り入れじゃないか。 安息日の労働はユダヤのおきてで禁じられているというのに。」

3.  イエスは、お答えになりました。 「聖書(旧約)を読んだことがないのですか。 ダビデ王とその家来たちが空腹になった時、どうしたでしょうか。 

4. ダビデ王は神殿に入り、主に供えられた特別なパンを取って食べたではありませんか。 これはおきてに反することでしたが、自分ばかりか、家来たちにも分けてあげました。」 

5. また、こうも言われました。 「わたしは安息日の主です。」

6.  今度は別の安息日のことです。 イエスは会堂で教えておられました。 ちょうどそこに、右手の不自由な男が居合わせました。 

7. 安息日だというので、法律の専門家やパリサイ人たちは、イエスがこの男を治してやるかどうか、うの目たかの目で見ています。 何とかしてイエスを訴える口実を見つけようと、必死だったのです。

8.  彼らの魂胆を見抜いたイエスは、その男に、「さあ、みんなの真ん中に立ちなさい」とお命じになりました。 男が言われたとおりにすると、 

9. イエスはパリサイ人たちに、「ひとつ聞きたいのですが、安息日に良いことをするのと悪いことをするのと、どちらが正しいでしょうか。 人のいのちを救うのと、いのちを奪うのと、どちらが正しいでしょうか」とお尋ねになりました。

17-18. イエスは弟子たちといっしょに山を降り、広々とした所にお立ちになりました。 するとほかの大ぜいの弟子と群衆が駆け寄り、たちまちイエスの回りは、人の波でうずまりました。 ユダヤ全地、エルサレム、はるか北のツロやシドンの海岸地方などから、イエスの話を聞き、また病気を治してもらおうと、はるばるやって来た人ばかりです。 悪霊に苦しめられている人もいたので、イエスは治されました。 

19. だれもがみな、イエスにさわろうと押し合いへし合いの大騒ぎです。 さわれば、病気を治す力がイエスから出て、どんな病気もいやされたからです。

20.  それからイエスは、弟子たちのほうをふり向き、話し始められました。「あなたがた貧しい人は幸福です。 神の国はあなたがたのものだからです。 

21. いま空腹な人は幸福です。 やがて十分満足するようになるからです。 泣いている人は幸福です。 もうすぐ笑うようになるからです。 

22. わたしの弟子だというので、憎まれたり、追い出されたり、悪口を言われたりするなら、なんとすばらしいことでしょう。 

23. そんなことになったら、心から喜びなさい。 躍り上がって喜びなさい。 やがて天国で、目を見張るばかりのごほうびが、いただけるからです。 そして、同じような扱いを受けた、昔の預言者たちの仲間入りができるのです。

24.  これとは反対に、金持ちたちを待ち受けているのは悲しみだけです。 彼らの幸福はこの地上限りのものだからです。 

25. 肥え太り、今は栄えていても、やがて恐ろしい飢えの日が来れば、彼らの大笑いは、一瞬にして悲しみに変わるでしょう。 

26. ほめそやされる者はあわれです。 偽預言者はいつの時代でも、そのような扱いを受けたからです。

27.  いいですか、よく聞くのです。 敵を愛しなさい。 あなたがたを憎む者によくしてやりなさい。 

28. あなたがたをのろう者の幸福を祈ってあげなさい。 あなたがたを侮辱する者に神の祝福を祈り求めなさい。

29.  もしだれかが頬をなぐったら、もう一方の頬もなぐらせなさい。また、もしだれかが上着を取ろうとしたら、下着もつけてやりなさい。 

ルカによる福音書 6