9. すぐさまエルサレムに取って返し、一部始終を、十一人の弟子やほかの人たちに話しました。
10. そのとき墓へ行った婦人たちは、マグダラのマリヤとヨハンナ、ヤコブの母マリヤ、そのほか数人でした。
11. ところが、男たちには、この話がまるで物語のようで、とても現実のこととは思えません。 だれも、まともに信じようとしませんでした。
12. しかしペテロは、それでも一応は確認しなければ、と墓へ駆けつけ、身をかがめて中をのぞき込みました。 するとどうでしょう。 亜麻布のほかには、何も見あたりません。 この出来事に驚いて、家に戻って行きました。
13. この同じ日曜日のことです。 二人の弟子が、エルサレムから十一キロほど離れたエマオという村へ急いでいました。
14. 二人が道々話し合っていたことは、イエスの死のことでした。
15. そこへ突然、当のイエスが近づき、彼らと連れ立って歩き始めました。
16. しかし二人には、イエスだとはわかりません。 神がそうなさったのです。
17. イエスがお尋ねになりました。 「何やら熱心にお話しのようですね。 いったい何が、そんなに問題なのですか。」すると二人は、急に顔をくもらせ、思わず足を止めました。
18. クレオパというほうの弟子が、あきれたように、「エルサレムにいながら、先週起こった、あんな恐ろしい出来事を知らないなんて……、そんな人は、あなたぐらいのものでしょう」と言いました。
19. 「そうですか。 で、どんなことでしょうか?」「ナザレ出身のイエス様のことをご存じないのですか。 この方は、信じられないような奇蹟を幾つもなさった預言者で、すばらしい教師でもあられたんですよ。 そんなわけで、神様からも人からも、重んじられていたんですが、
20. 祭司長や他の宗教的指導者たちは、理不尽にもこの方をつかまえて、ローマ政府に引き渡し、なんと、十字架につけてしまったんですよ。
24. その話を聞いて、仲間のある者たちが墓へ駆けつけて確認したのですがね、彼らも口をそろえて、墓は空っぽだったと証言してるんですよ。」
25. 「ああ、どうしてそんなに、ものわかりが悪いのですか。 預言者たちが聖書(旧約)に書いていることを信じられないのですか。
26. キリストは、栄光の時を迎える前に、必ずこのような苦しみを受けるはずだと、預言者たちは、はっきり予告したではありませんか。」