1. ヨブの返事。
2. 「ああ、この悲しみと苦しさが、秤りにかけられたらなあ。
3. まるで海辺の砂を千倍にもしたような重さだ。 だから、ついきついことばを吐いてしまった。
4. 神様は弓に矢をつがえ、わしを狙いうちにした。 その毒矢は心臓深く突き刺さった。 神様は次から次へとわしを脅かす。 そのたびに、身のすくむような思いをする。
10. わしは神様のおことばを一度だって拒まなかった。 少なくともこのことが、苦しい拷問の中での唯一の慰めだ。
11. なぜ、まだ生きる力が残っているのだろう。 息を引き取る瞬間まで、このまま我慢できようか。
12. わしは石のように感覚がないというのだろうか。 わしの肉体は、真鍮でできているとでもいうのだろうか。
13. もう何の希望もない。 天涯孤独となり果ててしまった。
14. 気落ちした友には、親切にすべきじゃないか。 それなのに何だ。神様を少しも恐れず、わしを容赦なく責め立てるばかりじゃないか。
15-18. あんたは砂漠の川のように頼りにならないことが、よくわかった。それは、雨期になるとあふれるが、夏の盛りには干上がってしまう。川を目あてに、隊商はわざわざ脇道して来るが、一滴の水もないのであえない最期を遂げる。
19-21. テマとシェバの隊商は、水を求めてそこに来るが、望みは無残にも砕かれる。 あんたへの期待も、同じように裏切られた。 わしを見てこわがり、後ずさりしたな。 救いの手を伸ばしてくれなかったな。
22. なぜだ。 これまで、一度でも頼み事をしたことがあるか。 あんたに物乞いしたことなんかないぞ。