9. その夜は、星も出るな。 どんなに光を待ちあぐねても夜は明けず、朝がくるな。
10. こんな災難に会うため、わざわざ生まれて来たわしのために。
11. ああ、なぜ、生まれてすぐ死ななかったのか。
12. なぜ、産婆はわしを生かしておき、乳房をふくませて養い育てたのか。
13. 生まれてすぐ死んでいたら、今ごろ安らかに眠っていただろうに。
16. 呼吸もせず、陽の光を見ることもない、死産だったらよかったのだ。
17. 死んでしまえば、悪者も人に迷惑をかけず、疲れきった者も憩う。
18. 囚人でさえ、彼らをのろう残忍な看守から解放される。
19. 死んでしまえば、金持ちも貧乏人もない。 奴隷でさえ、全く自由の身となる。
22. 思いどおり死ねたら、どんなにほっとするだろう。
23. 神の与えるものが無益と失意の人生だけだとしたら、なぜ、人を生まれさせるのだろう。
24. 出るのはため息ばかりで、食事ものどを通らない。 うめき声は水のように止めどなくあふれる。