1. ウツの国にヨブという人が住んでいました。 この人は人格者で、神様を敬い、悪から遠ざかっていました。
2-3. 子宝に恵まれ、息子が七人、娘が三人もいました。 それに、羊七千頭、らくだ三千頭、五百くびきの牛、雌ろば五百頭がいる上に、大ぜいの召使をかかえる億万長者でした。 名実ともに、その地方きっての大牧場主だったのです。
4. 毎年、ヨブの息子たちは、誕生日ごとに、自宅へ兄弟姉妹を招いて祝賀会を開き、飲み食いして陽気にはしゃぐことにしていました。
12-13. 「彼の財産のことは、おまえの好きなようにしてよい。 ただし、彼の体に触れてはならんぞ。」こうして、サタンは出て行きました。 それからしばらくして、ヨブの息子、娘たちが長兄の家で祝宴を張っている時、悲劇の幕が切って落とされました。
14-15. 使者がヨブの家に飛んで来て、悲報を伝えたのです。 「た、たいへんです。 牛が畑を耕し、そばでろばが草を食べているところへ、いきなりシェバ人が襲いかかりました。 家畜はさらわれ、作男たちは皆殺しです。 どうにか助かったのは私ひとりです。」