ヨハネによる福音書 6:17-34 リビングバイブル (JLB)

2-5. 大ぜいの群衆が、どこまでもあとについて行きました。 イエスが病人を治されるのを見たからです。 人々の多くは、年一度の過越の祭りのため、エルサレムへ行く途中でした。イエスが丘に登り、弟子たちといっしょに腰をおろされると、大ぜいの群衆も、追いかけるように、あとからあとから丘に登って来ます。その様子をながめながら、イエスはピリポにお尋ねになりました。「ピリポ。 この人たち全部に食べさせるには、どこからパンを買ってきたらいいでしょうか。」 

17. もう暗くなったのに、イエスはまだ戻られません。 そこで舟に乗り込み、カペナウムに向けて湖を渡り始めました。

18-19. ところが、しばらくこいで行くうちに、風が出てきました。 風はびゅうびゅう吹きまくり、湖も荒れだしました。 それも、だんだんひどくなる一方です。 四、五キロほどもこぎ出したでしょうか。 ふと見ると、イエスが舟のほうに歩いて来られます。 あまりの恐ろしさに、ただもう震え上がるばかりです。 

20. イエスが、「こわがることはありません」と声をおかけになると、 

21. やっと気を取り直し、うれしそうにイエスを舟にお乗せしました。 するとどうでしょう。 舟はすぐに目ざす地に着いたのです。

22.  朝になりました。 湖のこちら側では、大ぜいの人が、イエスに会おうと集まって来ました。 昨日、イエスをあとに残し、弟子たちだけが舟で出かけたことを知っていたからです。 

23. イエスが感謝の祈りをささげ、みんなでパンを食べた場所の近くに、テベリヤから数隻の小舟が来ていました。 

24. イエスも弟子たちも、そこにはいないとわかると、人々は、その舟に乗り込み、イエスを捜してカペナウムまで来ました。

25.  そしてイエスを見つけると、さっそく、「先生。 いったいどうやって、ここまでおいでになったのです?」と尋ねました。 

26. 「いいですか。 あなたがたがわたしのそばにいたがるのは、わたしを信じているからではありません。 パンを食べさせてあげたからですね。 

27. 食べ物みたいになくなってしまうものに、心を奪われてはいけません。 それよりも、永遠のいのちを手に入れる努力をしなさい。 メシヤ(救い主)のわたしは、それをあげるのです。 そのためにこそ、父なる神は、わたしをお遣わしになったのですから。」

28.  「神様に満足していただくには、どうしたらいいんでしょうか。」

29.  「神が遣わされた者を信じることです。 それこそ、神が望んでおられることです。」

30-31. 「あなた様がメシヤなら、その証拠に、もっといろいろな奇蹟を見せてください。 そう、毎日ただでパンを下さるとか……。 ちょうど先祖たちが荒野を旅した時、毎日パンをもらったようにね。 『モーセは天からのパンを彼らに与えた』と聖書(旧約)に書いてあるでしょう。」

32.  「そのパンを与えたのは、モーセではありません。 わたしの父です。 そして今、父はあなたがたに、天からのほんとうのパンを下さるおつもりです。 

33. ほんとうのパンとは、神から遣わされて天から来た、一人の方のことです。 その方が、世の人々にいのちを与えるのです。」

34.  「先生。 ぜひそのパンを、一生の間、毎日下さい。」

ヨハネによる福音書 6