20. アブネルは振り向きざま、追いかけて来る敵を見て、「アサエルではないか」と呼びかけました。「そうだ。」
21. 「ほかのやつを追え!」と、いくらアブネルが言っても、アサエルは耳を貸さず、なおも追撃の手をゆるめません。
22. もう一度、アブネルは叫びました。 「あっちへ行け。 もしおまえを殺すことにでもなれば、おまえの兄ヨアブに顔向けができんわい!」
23. それでも、向きを変えようとしません。 とうとうアブネルは、槍の石突きをアサエルの下腹部に突き刺しました。 なんと、槍は背中まで刺し貫いたではありませんか。 アサエルはばったり倒れ、息絶えました。 彼が死んでいる有様を見た者はみな、かたずを呑んで見守りました。
24. 今や、ヨアブとアビシャイがアブネルを追う番です。 ギブオンの荒野の道沿いにあるギアハの近くのアマの丘まで来た時、ちょうど太陽が沈み始めました。