1. このあとアブシャロムは、みごとな戦車とそれを引く馬を買い入れました。 さらに、自分を先導する五十人の馬丁を雇いました。
2. 彼は、毎朝はやく起き、町の門へ出かけました。 王のところへ訴えを持ち込む者を見つけると、そのつど呼び止めて、さも関心があるように、訴えを聞くのです。
3. だれに対しても、こんなふうに気をそそるのでした。 「この件じゃあ、君のほうが正しいようだねえ。 しかし、気の毒だが、王の側には、こういう訴えに耳を貸してくれる者はいないだろうな。
4. 私が裁判官だったらなあ。 訴えのある人はみな、私のところへ来れるし、もちろん、公平な裁判もできるんだが……。」
17-18. ダビデは町はずれでひと息つき、その間に、あとから従って、ガテからついて来た六百人のガテ人と、ケレテ人、ペレテ人の一群を、先導役として前に進ませるようにしました。
19-20. ところが、だしぬけに、王はガテ人六百人の隊長イタイに、こう言いだしたのです。 「どうして、わしらと行動を共にするのだ。部下を連れてエルサレムのあの王のもとにいるほうがよいぞ。 なにしろ、君らは亡命中の外国人で、イスラエルには寄留しているだけなのだからな。 しかも、きのう来たばかりだというじゃないか。 なのに、きょう、行く先さだめぬ放浪の旅に誘い出すには忍びん。 部下を連れて戻るがよい。 神様の恵みがあるよう祈っておるぞ。」
25-26. それから、ダビデの指示に従って、ツァドクは契約の箱を都に戻しました。 その時、ダビデはこう宣言したのです。 「もし神様がよしとされるなら、私をもう一度連れ戻し、神の箱とその天幕を見させてくださるでしょう。 また、たとい神様から見放されるのであっても、どうか、神様が最善と思われることをしてくださいますように。」
33-34. しかし、ダビデはフシャイに言いました。 「おまえがいっしょに来てくれても、重荷になるだけなのだ。 エルサレムに帰って、アブシャロムに、『私は、これまでお父上の相談役として仕えてまいりました。 これからは、あなた様にお仕えしとうございます』と言ってくれ。 そうすれば、アヒトフェルの助言に反対して、それをぶちこわすことができる。
35-36. 祭司のツァドクとエブヤタルも、エルサレムにいる。 わしを捕らえようとする計画があったら、彼らに知らせてくれ。 そうすれば、二人の息子たちアヒマアツとヨナタンが、わしのもとに、事の成り行きを知らせてくれることになっておる。」