サムエル記上 17:18-34 リビングバイブル (JLB)

18. このチーズは隊長さんに差し上げてな、あの子たちの様子を見て来ておくれ。 手紙をことづかるのも忘れんようにな。」

19.  サウルとイスラエル軍は、エラの谷に陣を敷いていました。

20.  そこでダビデは、翌朝はやく、羊を他の羊飼いに任せ、贈り物をかかえて出立しました。 陣営のはずれまで来ると、ちょうどイスラエル軍は、ときの声をあげて戦場へ向かうところでした。 

21. やがて、敵味方、互いににらみ合う態勢となりました。 

22. ダビデは持って来た包みを荷物係りに預け、兄たちに会うため陣地へ駆けだしました。

23. 兄たちと話をしながらふと見ると、敵陣から大男が出て来ます。例のゴリヤテです。 彼はいつものように、ふてぶてしく挑戦してきました。 

24. イスラエル軍は、ゴリヤテを見ると、おじ気づいて後ずさりを始めるしまつです。

25.  「あの大男を見ろよ。 イスラエル全軍をなめていやがる。 あいつを倒した者には、王様からしこたまごほうびがいただけるんだとよ。 なんでも、王女様の婿にしてもらえる上、一族はみな税を免除されるそうだぜ。」

26.  ダビデは、ほんとうの話かどうか、そばに立っている人たちに確かめようとしました。 「あのペリシテ人を倒して、イスラエルへの悪口雑言をやめさせれば、何かいただけるのでしょうか。 全く、生ける神様の軍勢に公然と逆らうなんて! いったい、あの、神様を知らないペリシテ人は何者ですか。」 

27. 答えは先ほどと変わりません。

28.  ところが、長兄エリアブは、ダビデがそんな話に首を突っ込んでいるのを聞いて、腹を立てました。「いったい、ここへ来て、何しようっていうんだ。 羊の世話はどうした。 とんでもないうぬぼれ屋の餓鬼め。 いくさ見たさに、のこのこやって来たんだろう。」

29.  「ぼくが、何をしたっていうんです? ただちょっと尋ねただけじゃありませんか。」

30.  ダビデは、ほかの人のところへ行って、次々に同じ質問をして回りました。 だれからも同じような答えが返ってきます。 

31. そのうち、ダビデのことばの裏にある意図をくんだだれかが、そのことをサウル王に告げたので、王はダビデを呼びにやりました。

32.  ダビデはきっぱり言いました。 「こんなこと、ご心配には及びません。 ぼくが、あのペリシテ人を片づけます。」

33.  「冗談言うな! おまえみたいな小僧が、どうしてあんな大男と渡り合えるんだ。 まだ子供じゃないか。 あいつは小さい時から鍛えた戦士なんだぞ!」

34.  「ぼくは父の羊を飼っているんですが、ライオンや熊が現われて、群れの子羊を奪って行くことがよくあります。 

サムエル記上 17